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3.23.2010

「アメリカ文明の終焉から持続可能な文明へ」

日刊ベリタなるインターネット紙に掲載されたいくつかの論考をまとめて、表題のような本をまとめました。ここで、この本を紹介することが適当かどうかわかりませんが、この第1部をなすアメリカ文明の様々な問題点を、皆様に知ってもらいたいと思い、下に本の前文と目次を掲げます。現在アメリカと日本の関係が、沖縄の基地問題や、核兵器持ち込みの密約などなど非常にきわどい状態になっています。それはアメリカのほとんど狂気に近い覇権主義、軍事主義の一端が日本への圧力として作用しているのですが、日本の人々の多く(70%)は、アメリカとの関係を「深化」させるべきと考えていることは脅威です。アメリカという国の本質を良く知り、アメリカとのつきあいは、距離を置いて(深化ではなく)慎重に是々非々の態度で行うべき時に来ていると思います。ご興味のある方は次のウェッブサイトから、無料でダウンロードできますので、ご覧ください:http://www.e-bookland.net/gateway_a/details.aspx?bookid=EBLS10071200&c=142(落合栄一郎)。



「アメリカ文明の終焉から持続可能な文明へ」

まえがき

 2008年のアメリカ発経済危機は、世界各国に深刻な影響を及ぼしている。日本では、新自由主義的政策によって数年前から創出された非正規雇用者、派遣社員などが安易に放り出され、路頭に迷っている。おそらく、経済の冷え込みはさらに拡大するであろう。これは市場経済の単なる一過性の落ち込み(恐慌)などではないのではないかと思われる。現在の危機は、いままでと同様に消費者の需要を喚起し、財布のひもをゆるめさせれば回復するといった安易な考えでは解決できないのではないかと思える。人類、特にそのうちのいわゆるエリート達(大企業家、金融業者)が無思慮に自分達の欲望を満たすことに奔走してきたが、その成長経済の限界に達したのである。アメリカ文明に代表される現状の継続は、持続できないどころか、地球環境・生態系の破壊そして人類文明の破滅にも導きかねない。
 2009年には、21世紀の最初の8年間の世界を大変間違った方向に導いてきた前政権に代わって、新大統領オバマ氏がアメリカの舵取りをすることになった。世界最大の消費国、軍事大国が今後どのような方向に動いて行くのか非常に興味深い。興味深いどころか、人類文明の今後を左右する。現時点2010年の初頭で、オバマ政権発足後1年が経過したが、今までのところ、前政権を継承したような政策が大部分で、選挙戦で約束した「変革」は殆ど実現、どころか提案もされていない。もちろん大統領ばかりの責任ではないかもしれないが、これまでの実績からは根本的な「変革」は期待できそうもない。特に問題なのは、中東その他での戦争拡大、経済危機の深化、それによる市民の貧困化などである。
さて現在の人類の陥っている危機から這い出すにはどのような方法があるのだろうか。持続可能な社会とはどのようなものか。この二つの問いは実は同一のものである。この問いになんとか答えてみようとする試みが本書である。人類の遭遇した最大の問題(人類の存続に関する)には、人類の多くが関心をもち、なんとか自分達を救い出そうとする努力が必要であろう。本書がそうした動きのキッカケを提供できれば幸いである。
実は、日本という国は、江戸時代2世紀半にわたって、平和を維持し、かなり高度な文化を、ソーラーエネルギーのみで持続させたという稀な経験をもっているのである。この経験を思い起こし、その経験を持続社会構築に生かすことは有意義であろう。本書でも、江戸時代の経験を下敷きにした部分は多い。この意味で、日本は、平和憲法9条とともに、江戸時代の経験を生かして、今後の世界の持続可能社会建設において指導的役割を担えるのではないだろうか。オバマ新政権についで、日本にも民主党の新政権が誕生した(2009.8)。今後、この新政権がどのような方向へ日本を引っ張って行くのか、その際に、本書で扱うレベルの持続性への配慮がどの程度取り入れられるのか注目したい。
本書は、第1部「(現代文明を代表する)アメリカ文明の黄昏」と第2部「経済危機・アメリカ的文明を乗りこえて持続可能な社会へ」とからなる。第1部ではアメリカ文明の問題点、特にその帝国主義的軍事優先的態度、消費依存経済など、持続可能性とはほど遠い現状を概観し、第2部では持続可能な未来社会の様々な制約、経済、政治状況を検討し、持続可能な未来社会のおおよそのイメージを具体的に描いてみる。そしてそのような社会を建設するにはどうしたら良いかを検討する。なおこれらの論考の大部分は、先にインターネット紙日刊ベリタに掲載されたものである。各章の冒頭にその掲載日を記す。

目次

第1部 アメリカ文明の終焉

1章 アメリカの帝国主義的心情と戦争意識
1.1。初期の歴史
1.2.アメリカの戦争意識の基礎 
1.3.アメリカの平和主義者達・リベラル派
1.4.人類の将来とアメリカ  
2章 アメリカ帝国主義の一形態—エコノミックヒットマンの物語
3章 非軍事面での帝国主義
  3.1.優生学
  3.2.食料を制するものは人間を制す
  3.3。緑の革命
  3.4。農畜産業の工業化
  3.5。遺伝子革命
  3.6。最後にー自然の反抗—
4章 悪/政治/戦争/新自由主義
5章 アメリカ的文明の黄昏
5.1.市場資本主義の退廃—コーポラテイズム
5.2.覇権主義—奢り
5.3.アメリカ的文明の持続不可能性

第2部 経済危機・アメリカ的文明を乗りこえて持続可能な社会へ

6章 総論
   6.1.概観
  6.2.歴史的展望
  6.3.持続可能な未来社会のアウトライン
7章  地球上の物質的・エネルギー的制約、物理的制約—気候変動など
  7.1.エネルギー的制約
  7.2.物質的制約
  7.3.物理的制約
8章 人口問題
  8.1.人口と食料
  8.2.人口の制御
9章 21世紀初頭の経済体系の問題点—持続可能文明形成を阻むものー
  9.1.必要と需要—新古典派経済学—
  9.2.新古典派経済から新自由主義へ
  9.3.グローバリズム
  9.4.カネをモノを等価と看做す誤り−1−未来のデイスカウント
  9.5.カネとモノを等価と看做す誤り−2−金融の経済支配
10章 江戸期のモデル
  10.1.持続した社会—概観
  10.2.なぜ江戸社会は持続できたか
  10.3.「自己制御(抑制)」の精神
11章 持続可能な未来社会のイメージ
  11.1.持続可能な社会の概観
  11.2.資源・エネルギー・環境
  11.3.インフラストラクチャー
  11.4.個人の開発
  11.5.社会システム
  11.6.政治システム
  11.7.経済システム
12章 持続可能社会への道のり
  12.1.世界観・価値観の変革
  12.2.経済通念と経済産業構造の変革
  12.3.変革実現の仕方

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